こんにちは 院長の高屋です。
先日、『突然後ろ足を痛がり始めて、挙上し続けている』という主訴でワンちゃんが来院されました。
さっそく触診・レントゲン検査をさせて頂くと…
見事に右股関節が外れていました。右股関節脱臼(後方・腹側)です。
通常、股関節が脱臼するにはある程度の負荷がかかる必要がありますが、このコは特に暴れていた訳ではなく気づいたらこうなっていた…そうです。
よくよく話を聞いてみると以前から右後ろ足を挙げることがあった…とのこと。
レントゲン画像でも、右の後ろ足の筋肉量が左に比べるとかなり少なくなっており、大腿骨(ふとももの骨)の骨頭(頭側の部分)の病気(大腿骨頭壊死)も併発していました。
※大腿骨頭壊死とは?
大腿骨の大腿骨頭に栄養を供給している血管が減少し血液供給が途絶えその結果、大腿骨頭が虚血し壊死(死んでしまう事)が生じます。 さらに壊死は大腿骨頭の内側から生じる為、大腿骨頭の構造が脆くなり二次性に骨折を起こし、激しい疼痛を生じます。
一度壊死をしてしまった大腿骨頭は再生しないため、基本的には壊死している骨頭を外科的に切除する大腿骨頭切除関節形成術もしくは股関節を人工関節に置換する股関節全置換術が適応となります。
健康な股関節であれば、外れた骨頭を元の位置に戻して固定すればいいのですが、大腿骨頭壊死の場合、骨頭自体が痛んでしまっているので、再脱臼のリスクが高くなるため、他の術式が選択されます。整形外科専門病院での治療もご提案しましたが、飼い主様の時間・費用面を考慮したうえで、当院にて、【大腿骨頭切除術】(医療用の電動ノコギリを使っての骨切り術)を行いました。骨頭を切除した関節周囲に線維性偽関節が形成されるまで、不安定になるため、患肢を着地し負重するようになるまである程度の期間を要します。
術後1週間後のレントゲンです。
切除した大腿骨の断端部の経過も良好です。
ワンちゃんも家に帰ってからも元気いっぱいで、足を着いて歩いています!とのことで、嬉しい限りです。
良かったね (^_^♪)
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