一般的な手術では糸(縫合糸)で血管や組織を結び、体内には糸を残す方法が用いられています。
ところが近年、体内に残った糸(異物)が引き起こす「縫合糸反応性肉芽腫」(
★)という病気が数多く報告されています。
★縫合糸反応性肉芽腫とは?
手術が無事に終わっても、数ヶ月後あるいは数年後になって、手術部位付近が赤く腫れたり、おなかの中にガンのような大きなしこり(肉芽腫)が出来たり、ひどい場合は皮膚に穴があいてしまうことがあります。
これらは、体内に残っている糸に、過剰な異物反応を起こした結果起きる病気なのです。こうなってしまった場合、肉芽腫と残った糸を摘出するため再手術を行い、治療に当たらなければなりません。(特にミニチュア・ダックスフンドでの発生が多いとされています)
当院では、体内に糸を残さない(使わない)手術を可能にする『
超音波切開凝固装置(ソノサージ)』を導入し、糸を使わずに安全・確実な止血・切開(切除)を行うことが可能となりました。
一般的な去勢・避妊手術から、出血の多い腫瘍摘出手術などでも確実に止血でき、また手術時間の短縮にもなる為、動物にかかる負担を軽減させることができます。
縫合糸を使った手術と、ソノサージとの比較